近年、IT業界の動向はめまぐるしいものがありますよね。
毎日IT関連の情報に触れない日はありません。
でも、実はITのことよく知らない・・・っていう人も多いのではないでしょうか。
私は仕事で結構ITの話題は出るけれど、わからないことだらけで流行に付いて行けていない感じがします。笑(若者なのに)
そこで手に取ってみたのがこの本。
クラウド、IoT、5G、プログラミングなどの基礎知識が身につきます。
IT業界の人でなければ普段耳にしないような用語も、わかりやすく説明してあるので読みやすいです。
個人的に面白かった部分
今回は、特に私が勉強になったな〜と思う部分を大きく4つ抜粋しました。
1. ITの過去と現在の比較
1.所有から共有へ
車も最近カーシェアリングが流行っていますよね。家だって、持ち家を買わずにずっと賃貸で暮らす人もいます。
そんな感じで、ITもクラウドが発達しています。
クラウドの発想は情報資源(CPU / メモリ / ストレージ / ネットワークなど)のシェアそのものだそう。
PCって、一人で24時間使う事って滅多にありませんよね。
どんなにネトゲ廃人だろうと、睡眠時間は確保するはず。
人間が寝てる間にPCが休んでるなんて勿体なくない!? 暇してるCPUを、誰か起きてる人が使ってくれれば効率良いじゃん!?って発想がクラウド。
技術が進歩して、例えばCPUはブラジルに置いておいて、ディスプレイ表示は手元に置いておくということができるようになりました。
だから「CPUをみんなで使おう!」といったシェアが可能な時代になったのです。
最近は「所有→共有」というのはよく聞くけど、クラウドもそういう発想だったというのは言われてみると確かに!という感じでした。
2.時代によって変わるインターフェース規格
インターフェースは時代によって進化してるって話です。
インターフェースとは、例えばUSBとかHDMIのような接続口やケーブルのこと。
D-sub → DVI → HDMI
PCとモニタを結ぶのにD-subがあるけれど、これは古い規格です。今時の高解像度のものに対応していないので、画質があまり良くありません。
モニタ類の高解像度化に対応するために開発されたのがDVIです。
そしてこのDVIをベースに、一般家庭向けに作られたのがHDMI。
最初、HDMIはDVIの簡易版のような形でデビューしたけど、HDMIは映像信号だけじゃなくて音声信号も同時に伝送できるっていう魅力がありました。
今ではHDMIとDVIは遜色ない性能を発揮しています。
PC周りのごちゃごちゃをすっきりさせたUSB
昔は、PCの周辺機器ってインターフェース規格がバラバラでした。
PCとマウス、キーボード、ハードディスク全部バラバラ。規格がバラバラだと、「ケーブルが足りない!」って時に代用できないから困ります。
「iPhoneの充電器忘れた!」と思って友達に借りようとしても、友達のスマホはAndroidだった、みたいな不便さ。
スキーしてる人が、スキー靴のままスノボ出来ない不便さ。伝わるかな?!
その不便さを解決したのがUSB!
iPhoneでもAndroidでも同じ充電器が使える!
スキーしてたけど、スキー靴のまま友達のスノボも出来る!みたいな感じ。
しかもUSBはどんどん技術開発されて、伝送速度は速くなり、給電能力も上昇しました。
最新のUSB4は、その前のUSB3.2の伝送速度の約2倍。身の回りによくある青いUSB3.0と比べると約8倍。凄まじい・・・
でもTypeAとかTypeCとかMicroBとかいろいろあって、わかりにくくなってるのが実情です。(PC側、周辺機器側とわかりやすく区別してたらしいけど逆効果のよう?)
2. 既存のシステムに合わせて業務を変える
私の勤めている会社にも、「どうして業務に合わないこんな面倒なシステムがあるんだろう?システムを変更してほしい!」と思うシステムがあります。
でも、業務に合わせてシステムを個別に作るのではなく、既存のパッケージソフトに合わせて業務を変えることの効率性が書かれています。
スクラッチとカスタマイズという言葉があります。
スクラッチは一から作ることで、カスタマイズはハードウェアやソフトウェアに個別修正を加えることだそう。
そして、システム化の文脈でこれらの言葉は否定的な意味で使われることが多いんだとか。
例えば、自社にとっては新しい業務でも、他では当たり前の業務という事はよくあります。
パッケージソフトを導入すると今の仕事の仕方を変えなければならないからと導入を見送り、自社独自の新しいソフトを一から作るのは、筆者曰く後ろ向きなスクラッチです。
業務全体の効率化が目的なのに、今の仕事の仕方を変えない!という姿勢で、ただ手作業の部分をIT化することを目的としてしまっているということになります。
手書きの仕事をワープロで置き換えて電子化したけれど、ハンコを押すのは必須なので、相変わらず紙に印刷したり、紙の情報を手入力する機会は多い・・・といった例に近いです。
効果が無いわけでは無いけれど、費用対効果を考えるとパッケージを使うともっと安くできたよね?ということもあります。
私は別にソフト開発する人ではないから、今あるソフトをどうしたら最大限効率よく使えるのかということを考えて業務していこうと思いました (;^_^A
AIを賢くするために人間が単純作業をする
よく「AIが人の仕事を奪う」と言われませんか。
でも、筆者は人間の仕事がなくなることは無いと言います。
人間が無駄な仕事を創り出す能力は圧倒的だからです。周囲を見回してください、無駄な作業、無駄な会議、無駄な手順、無駄な書類を無数に発見できるのではないでしょうか。
確かに!!
ありますあります、無駄な会議や無駄な手順。(抹殺したい)
AIによって仕事が無くなってしまうくらい効率化されるなら、今の時点で既にある程度「暇だな~」と思うくらいになってるはず。いや、なっててほしい。笑
筆者は、仕事がなくなることは無いが、その仕事内容が問題だと言っています。
今までは、単純作業は機械に、クリエイティブで複雑な仕事は人間がという考えでした。
でも、AIの進歩は目覚ましいです。
高度なAIは意思決定すら、人間よりも最適化を導いてきます。
例えば車の自動運転、就職、結婚。
自動運転の安全性が高まったとき、それでも敢えて事故のリスクを冒してまで運転しようとする人がいなくなるかもしれません。
また、将棋の例をみてわかるように、結婚や就職といった人生の意思決定さえも、特性を分析してAIに判断してもらったほうが正確になる時代がやってくるかもしれません。
そうなったとき、人間の仕事の多くは複雑な意思決定をするものではなくなり、「単純作業」こそ多くの人が取り組む仕事になる可能性があります。
実際に「AIの自動運転では何かあったときに責任が取れないから人間も同乗する」
「AIでSNSへの不快な投稿を削除するけれど、どうしても漏れが生じる部分を人間が削除する」
など、AIのおこぼれ的な単純作業は増えています。
フィンランドではAIの学習データ作成に、刑務所で服役する人の労働力が使われたとの報道もあるようです。
人間のすべてが「高度でクリエイティブ」な能力を持っているとも限らないし、すべての人にその能力が求められている訳でもないでしょう。
なので、そう言った単純作業の仕事も必要なのかもしれません。
また、AIが賢すぎるので、人生選択すらAIに任せようとする人が増えるのではないかと想像できます。
でも、意思決定こそ自分を自分たらしめる本質ではないかと筆者は提示しています。
自分で決めているからこそ、その積み重ねが今の自分を作っていると言えます。
そして、人間にとって失敗する権利の重要性も説いています。
AIで失敗のない選択を当たり前にしてしまっては、人間の学習機会が失われてしまいます。
確かにそうですよね。たくさん間違えてきたから今の自分があるわけで。
もっと言うと、今の人類の発展があるわけで。
今後どんな世の中になっても「AIがこう言ってるから」という理由で意思決定することは本当に良くないですね。
プログラミング教育でコミュニケーション能力UP
小学生からプログラミング教育が必修となりますね。
プログラミングを通して問題の発見から解決までの一連の流れを思考することが出来るので、筆者は子供の頃からのプログラミング学習を賛成しています。
プログラミングだと、対峙する相手はPCです。
人間だと曖昧な言い方で通じてしまうけれど、PCだとしっかり定義をして論理を成り立たせないと動いてくれません。
「鍋を見ておいて」と大人に言えば、吹きこぼれないように火加減を調整してくれます。
でも、コンピュータや幼児に「鍋を見ておいて」と言ったら、ただ吹きこぼれる鍋を眺めるだけでしょう。
相手に合わせて言い方や指示を変えたり、相手が正しく動けるように伝え方を思考錯誤するという仕事でも大切なことをプログラミングを通して練習することができます。
プログラミングは孤独な作業で、コミュニケーションを阻害するイメージがあります。
でも、逆にコミュニケーションを上手に取るための練習にもなるのです。
この話を本で読んだとき、私は「確かに!!」と、とても同意しました。
会社でもよくいませんか、指示が曖昧で結局何をしてほしいのかわからない人。
曖昧に話して濁して、なんだかわかるようなわからないような打ち合わせになってしまうこと。
私はそんなことが多くて、自分は空気が読めない人間なんだ・・・と思ったこともたくさんあります。
でも、エンジニアの方との打ち合わせでは課題ややるべきことが明確になり、とても明瞭で晴れ渡った空のようなスッキリした打ち合わせになることもあります。
空気を読ませるような話し方をせず、何をしてほしいか明確に伝えてくれる人もいて、そういう人との打ち合わせは進めやすいです。
察したり、曖昧にしたり、濁したり、それは日本特有の情緒だったり優しさだったりするのかもしれません。
でも、やっぱりゴールが明確な仕事においてはすべての人が「正確に相手に伝わる」ことに意識を向けると、みんな仕事しやすくなるんじゃないかなーと思います。
おわりに
本書ではもっとたくさんのことが述べられていましたが、今回は私が特に共感した部分や、へぇー!って思った部分を抜き出しました。
たとえIT業界に関わりが無い人であっても、これからの時代必ずどこかでITと触れ合うことがあるのではないでしょうか。
そんなときの為の基礎知識として、この本はわかりやすかったかなと思います。
時々難しい漢字が使われて少々読みにくい部分がありましたが、IT業界を網羅的に語ってくれるので導入には良いと思いました。
私の仕事でも少し関連する部分があったので、興味深く読むことができました。
ITは時代の流れが早いので、このような分野の本は定期的に読んでアップデートしていきたいですね!
ではまた!