数か月前ふとテレビをつけたら、ジャパネットのテレビショッピングがやっていました。
紹介されていたのは「掛け布団」
正直、布団は要らないな~と思いながら見ていました。
が、私はそのテレビショッピングを観てすごく胸を打たれました。感動しました。
最初全然欲しくなかった布団なのに
「めっちゃ良いじゃん!次布団買うならこれ買おう!」
と思えるほど購買意欲が湧き、商品へのイメージがガラリと変わりました。
どうしてジャパネットで紹介される商品は、こんなに魅力的に見えるんだろう?
聞いてるだけでなんだかテンションが上がるけど、どうしてだろう?
秘訣が知りたい!と思っていたら、ドンピシャな本を見つけました。
あのジャパネットたかたの創設者、高田明さんの自著です。
もうね・・・本当に本当に良い本でした。
高田さんの「今を一生懸命に生きる」という姿勢が、あの有名なジャパネットのテレビショッピングを築いてきたのだとしみじみ感じました。
モノを売ったり、人に何かを伝える仕事をする人はもちろん、すべての社会人におススメできる名著です。
あらすじ
ジャパネットたかたでお馴染みの高田明さんが、「伝える」ということや「仕事への向き合い方」について綴っているのがこの本。
佐世保にある父親のカメラ店で観光写真を撮っていた頃から、独立して日本一有名な通販会社を立ち上げ、引退するまでの人生を通じて、それぞれの局面でどう考え、何を実行したのかが記録されています。
何を意識してテレビの前で話していたのか、どのような理念を抱いていたのか、とても刺激になり参考になる本です。
個人的感動ポイント
読んでいて私が心に残った部分をピックアップしました!
今を生きる
今を一生懸命生きると課題が見えてくる
高田さんが本書を通じて常に繰り返し語るのが「今を一生懸命生きる」こと。
よく聞く話じゃん!って思うかもしれませんが、なかなか自分の日常でできていないことが多いように思います。
高田さんは最初、佐世保のカメラ店で観光写真の撮影をして、写真を売る仕事をしていました。
その時「どうしたらもっと写真が売れるだろう」と悩み、どのような写真を撮ると良いのか、声かけはどうすれば、いつどこで販売すれば良いか等を常に考え続けました。
試行錯誤を重ねた結果、以前よりたくさんの写真を販売することを可能にしていますが、例えばこのようなことを考え実行していきました。
- 個人写真ではなくてグループ写真を撮ると、1枚の写真が複数人に売れること
- 大きな声を出して声かけを行い、カメラ目線の写真を増やすこと
- 朝ホテルで売れなかった写真を観光地で売ることで、朝寝坊した人が買ってくれる
このように、今を一生懸命生きていれば自然と次の課題が見えてくると言います。
どうして100枚しか売れなかったんだろう、と考える今を生きていれば、どうすれば200枚売れるだろうって、人は考えるようになるんですよ
この考えですよね。
現状に満足せず、どうしたらもっと良くなるか常に考えていく姿勢。すごいなぁ。
高田さんは、「この考え方は一朝一夕ではできない。でも今を生きていれば、一段一段でも階段を上がって行けるのが人生ですよ。」と語っています。
一気にできなくても、今の自分よりちょっと良い自分を考えていくことの積み重ねが大切なのかもしれません。
一生懸命にやった失敗はない
高田さんは人生の中で失敗したことは無いと言います。
じゃあ、常に順風満帆で思い通りの人生を歩んできたかというと、それは違います。
高田さんは、例え500個売れると思っていたものが100個しか売れなくても、それは失敗とは思わないそうです。
100個しか売れなかったら、次に500個売れるように考えれば良い。一生懸命頑張った結果が出なかったことを、高田さんは失敗ではなく「試練」と呼んでいます。
「本当の失敗は一生懸命やらなかったこと」
「やらなかった失敗はあっても、一生懸命にやった失敗はない」
励まされるような、心に刺さる言葉です。
スキルとパッション、そしてミッション
何か他人に伝える時に大切なのがこの3つ。
スキルはその通り、伝える技量やテクニックのことです。例えば間の取り方や、商品の陳列の仕方とか。
でもスキルの前に大切なのが「ミッション」と「パッション」だと高田さんは言います。
感動を届ける ー ミッション
他人に何かを「伝える」理由は、何か伝えたいことがあるからですよね。
その理由に曇りがあると、伝えたいことは伝わらないというのが高田さんの思いです。
つまり、伝える側が自信を持って伝えたい!と思えることが大切ということですね。
私は自分が売った商品は必ず、お客さまに感動していただいたり、お客さまの生活を楽しくしたり、便利にしたり、豊かにしたり、時には人生を変えてしまったりすることもあると信じています
常に商品に対して絶対的な自信があるから、あんなに情熱を込めて話すことができていたんですね。
高田さんはテレビショッピングで、商品の機能や性能を掘り下げるような紹介ではなく、お客さんの暮らしがどう豊かに変わるのかに焦点を当てていました。
売るのは商品だけではなく、商品を通じた感動だということを意識しているからこそ心がこもっているのではないかと思います。
モノを売るときに大切なことは、お金儲けを第一の目的にしてはいけない、ということです。利益はこちらがお客さまに提供できた価値の対価です。それは後から付いてくるものであって、先に求めるものではありません。その順番を間違えたら売れるものも売れなくなると思います。
何かと数字という結果を求められる状況では、「お金儲けのために売らない」ということを忘れがちになってしまいます。
でも、売り上げなんて考えなくても、自分がお客様に精一杯向き合っていれば結果は付いてくると言われると、少し肩の荷が下りる思いです。
伝えるのではなく「伝わる」
「伝える」のと「伝わる」のは違います。
伝えたつもりではなく、きちんと伝わるように話すことが大事です。
では、どうしたら「伝わる」話し方ができるのか。
そこで欠かせないのが「売ってる本人が商品やサービスに絶対の自信を持っていること」だと言います。
自分が「いい」と感じたモノを人にも伝えていく仕事。それこそが人にモノを売る仕事だと、私は思っています。
会社で働いていると、別に自分は良いと思っていないけれど売らなくてはならないものがたくさんあります。
ジャパネットのように絶対自信がある!とまではいかなくても、何か一つでも「ここは本当に良いと思う!」と言える面を見つけて営業活動ができれば楽しいだろうなと思いました。
自己更新
数値目標を持たない経営
ジャパネットでは、売上金額の目標をいうのを設定しないそうです。
数字目標を立ててしまうと悪い意味で背伸びしてしまうことがあります。とにかく売ろうとして無理をしたり、不必要に価格を下げたり。
なので数値目標は掲げず、敢えて目標とするなら「前年を下回らない」という目標で取り組んでいるようです。
それは、どうなるかわからない未来ではなくて「今」にフォーカスしているから。
とにかく今できる最大限の努力の積み重ね・スモールステップが成長に繋がるという精神があるので、数値目標は立てていません。
ただ、成長していくということには強い意識を持っています。
高田さんは今まで周りの人から無理だろうと言われたことがたくさんありました。
でも「できないと決めているのは、その人自身だ」という強い気持ちで跳ね返している様子がわかります。
できないと思うことに果敢にぶつかっていき、自己更新していくことを強い理念としていたようです。
こういう部分も、高田さんの熱いテンションのまま本書では文字に起こされているのですごく身に染みます。
周りが反対してきたら、逆にそれは何かのチャンスなんじゃないかな?と思えました。
「そんなのできない」と言われた時こそ、一段飛躍する瞬間が待っているのかもしれません。
他社と比較しない
ジャパネットは競合他社と比較しません。なぜなら比較するということは勝ち負けを決めるということだから。
勝ち負けばかり考えていては、仕事は面白くないというのが高田さんの考えです。
仕事だけでなく、プライベートでも他人と比較することは無いようです。
比べるのは常に自分自身の過去。
他の人に勝つことより、常に自分史上最高を目指せばいいと思うのです。
もう、この言葉を何度でも自分に投げかけたい!笑
私は結構他人と比較してしまう癖があるのですが、これどんどん憂鬱になるんですよね。
自分は小さな一歩で前進しているのに、大股でもっと速く前に進んでいる人と比べて遅れているように思っちゃう。物理の相対速度みたいに。
でも、その小さな一歩に気づいて喜びながら、また次の一歩をどう踏み出すかということだけに集中すれば良かったんですよね。
その方が絶対幸せだと思います。
実践したいと思ったこと
本当にたくさん気付かされたことがありましたが、私が心がけていきたいのはこの2点です!
・周りの人に与えられる価値を考える
未来のことを考えるのはほどほどに、今取り組んでいることをもっと良くする方法を考えていきたいと思います。
そして少しずつで良いから実践して、1%ずつでも成長していきたいですね^^
あとは、主に仕事を通じて、周りの人に自分はどんな価値を与えられるのか意識していきたいです。
自分の仕事の価値は何だろう・・・私の存在意義って・・・と思い悩む日もたくさんあります 笑
でも、自分が何かすることで、誰かが助かっていることや幸せになっている姿を想像してみようと思いました。
私はジャパネットのような商品は売っていないけれど、「お客さんや社内の人から頼まれた仕事 = 商品」なのかなと思います。
だから、その商品を通じてどうしたら人を幸せにすることができるのか、商品の価値をどうしたら高められるのかを考えていきたいと思いました。
そしたら、家電量販店ではなくてジャパネットから買いたい!という人がたくさんいるように、私に頼みたいと言ってくれる人が現れるかな〜?
おわりに
高田さんらしい熱量とテンポの良さで語ってくれるので、文字数はそこそこ多いですがどんどん読んじゃうような内容でした。
非常に前向きで熱意溢れる方なので、読んでいてポジティブになれます。
モノを売る仕事をしている人はもちろん、全ての社会人に自信を持っておすすめできる一冊だなと思いました。
今後何か壁にぶち当たったらまた読み直したいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!