昨年末に仕事を辞めたよ!
私は半導体商社に新卒で入社して、4年間営業職として勤務していましたが、昨年末にとうとう退職しました!
半導体業界はこれからも伸びていくと言われている分野なので、これから就職・転職を考えている方も多いかと思います。
これから飛び込もうとしている業界の実態って、気になりますよね・・・?!
今回は、私が辞めた理由を通じて
- 半導体商社って激務なの?
- どんな理由で辞めた人がいるのか知りたい
というギモンにお答えします!
会社説明会などでは、良い部分しか教えてくれないことが多いかと思います。
なので、一切取り繕うことなく、私が感じた生の声をお伝えしていきます!
半導体商社ってどんな仕事してるの?というのは、以前記事にまとめたので気になる方は是非。
前職は好待遇だった
前職は一部上場企業で、残業代もきちんと支払われるし、完全週休二日制で土日祝日は休みでした。
理不尽で人格否定をしてくるような人もおらず、思いやりがあり精神的に大人な人が多い職場だったと思います。
ボーナスもそこそこ貰えたし、基本給も割と高く、良くも悪くも年功序列なので、頑張って続ければお給料も増える予定でした。
会社によって待遇面は様々だと思いますが、この業界、年間売上が800億円以上の会社であれば少なくとも収入面の不安は無いかと思います。(あくまで私の感触ですが)
「え、全然辞める必要ないじゃん!!」
と感じる人が多いでしょう・・・
実際、この待遇が好条件だったので
「辞めたいっていうのは甘えなのかな」
「辞めずに頑張った方が良いのかな」
と思い、何度も退職を思い留まりましたが、そんな思いを振り切り結局辞めてしまいました。
辞めた理由1:激務だった(私にとっては)
これは本当に会社や部署によって異なると思いますが、私はこの業界はなかなか激務な方に入るかと思っています。
営業職であれば、定時で帰れるということは滅多にありません。
私の場合、辞める前の1年の残業時間は約40〜50時間でした。
世の中には50時間よりもっと多い残業を頑張っている人がいるのは重々承知していますが、私にとっては毎月50時間はすごく辛かったです。
それに、残業しても決して仕事が終わっているわけではありません。
ぶっちゃけ50時間残業した程度では「めっちゃ怒られることは避けられる」程度の仕事しか終わりませんでした。
やらなければならない仕事をきちんと終わらせ、尚且つお客様にプラスアルファのことをしてあげる為には、100時間越えの残業を毎月しなければ回らないくらいの仕事量だったと感じます。
私は体力もメンタルもへぼへぼだったので、50時間が限界だったというだけです。
辞めた今だから言いますが、結局手が付けられずに後任に託してきた仕事が山ほどあります。笑
何が激務なのか
忙殺されながらも、自分が一体どうしてこんなに忙しいのかよくわかっていませんでした。
「どうしてやってもやっても終わらないんだろう」
と、こなすことで精一杯だった日々を振り返ってみると、まあこんな理由で忙しかったのかな、と思い当たることをがあります。
半導体不足で納期打ち合わせが増えた
今ホットな話題の半導体不足
このせいで仕事内容が結構変わった気がします。
半導体、本当に足りないんですよ・・・
でも、お客様も半導体部品を仕入れて物を作らないと、売り上げが立たないから赤字になっちゃいます。
部品を供給する役割の私たちは「こんなんじゃ商売できないよ」というお叱りを受け、お客様にどれだけ供給できるか報告する為、定期的な打ち合わせを実施します。
その頻度が、事態が深刻になればなるほど増えるんですよね・・・
その度に仕入れ先の部品メーカーにも納期前倒しの交渉をしなくてはならないし、
本当に供給が厳しい状況だけど、それをお客様に納得してもらうための情報収集や資料作成もしなくてはなりません。
担当顧客は1社ではないので、複数社に対してそのようなフォローを高頻度でするのがなかなかキツイです。
納期問題は新規案件の商談とは違い、売り上げUPのための仕事ではありません。
しかも、供給できない立場なので、基本謝罪がメインの仕事です。
仕入れ先からも見放され、仕入れ先が供給できないことが悪いのに一緒に謝ってくれる訳では無いです。
重たい仕事の割には成果が小さいので、どの営業も「嫌だな〜」と思う仕事だと思います。笑
受注過多で今後の売り上げ見込みの数字が厳しくなった
半導体不足に伴い、お客様からたくさん受注をいただいている状況が続いています。
それも、かな〜り先の受注まで。(1年以上先の分とかザラです)
でも当然ですが、この受注の希望納期通りに部品を納めることは大抵できません。笑
なので、
「来月・今期・来期はいくら売り上げるのか」
「予想と違う場合は、なぜ違うのか」
という、これから先の売り上げ見込み数字に対して会社が厳しくなってきました。
この売り上げ予測資料の作成・会議が負担で堪りませんでしたね。笑
何十点、何百点とある製品の売り上げ結果を分析したり、見込みを立てたり、数字と睨めっこなことが多かったです。
しかも社内の締め切りや期限が短い上に、提出をかなり急かされるので、平日にお客様対応をしながら数字の業務をするのが難しかったです。というか無理でした。
この業務は、土日にサービスでやっている人が多かったです。
仕事の種類が多い
営業の仕事は新規商談の獲得だけではありません。
- 提案活動
- 納期対応
- 不具合対応
- 売上数字の管理
- 在庫数の管理
- 多部署からの資料作成依頼の対応
- 打ち合わせ日程調整
- 契約書などの取り交わし、取りまとめ
- 顧客からの提出依頼書類の対応
- 予算作成
その他にも臨時の仕事が沢山あります。
「お客様に関することの最初の窓口」が営業なので、知らないこともたくさん聞かれます。
どの人もみんな、とりあえず営業にお願いすれば良いだろうと思っているんだと思います。
だから、いろんな種類の仕事が営業に集まっちゃうんですよね。
こなす仕事の種類が多岐に渡るので、どんどん人に振ったりして捌いていく力が必要です。
手間がかかり面倒なことが多い
人がやりたがらない、面倒なことを引き受けるのが商社なのかもしれません。
よくわからないシステムにひたすらよくわからない事を入力して、顧客に提出しなければならなかったりとか(お客様の受発注システムとか基本意味不明)
何から手をつけたら良いのかわからない、ボヤっとした指示の仕事を、自分なりにやり方確認しながら進めていったりとか
時間と手間と労力がいる仕事が結構多いです。
惰性で言われたことだけやれば良い、という仕事は少ないので、頭も使い疲れるなぁと思っていました。
一つ一つがすぐに対処できる訳ではなく、考える時間が必要なこともあるので、対応するのに時間がかかることが多かった印象です。
辞めた理由2:楽しい仕事がない
このように、業務量が多いな〜と常々思っていましたが、そんな仕事でも楽しくて興味があれば頑張れたかもしれないと思います。
私は4年間働いて、結局仕事内容に興味を持てなかったし、楽しいとも思えませんでした。
ぶっちゃけ全部どうでも良かったんです。
それに、「将来こんな仕事がしたい!」という、ワクワクできるようなことも会社内にはありませんでした。
商材が半導体なので、日常ではあまり意識しない分野だと思います。
全然馴染みが無いので、イメージも湧きにくく、あまり面白さを感じることができないと考える人も周りには多かったように感じます。
辞めた理由3:将来的に続けていける気がしない
子育てしながらなんて絶対無理!と思った
営業職をずっとこれからも続けていく未来が、全く描けませんでした。
私は将来子供も欲しいし、子供が生まれたら仕事は早く終わらせてちゃんと保育園のお迎えにも行きたいし、家に帰った後や休みの日は思いっきり遊びたいです。
でもこの働き方をしていると、子供と顔を合わせることなく暮らす日々になるな・・・と思いました。
営業一人の裁量の大きさは、人にとってはとてもやりがいに感じるかもしれません。
でもそれは裏を返すと、自分がいなくなった時にすぐにフォローに入れる人がいないということ。
実際、退職するときの引き継ぎも結構大変でした・・・
会社の同僚でも、お互いの仕事内容を詳細まで把握していないので、急に誰かに助けてもらうということが難しいよな、と感じます。
子供が熱を出したから今すぐ帰らなきゃとか、明日急に休みたいとか
そういう急な予定変更があった場合はお手上げだよな・・・と思いました。
しかも私の勤めていた会社では、今まで一人も女性営業職で出産された方がいませんでした。
そのため尚更、こんなことは何年も続けられない・・・という気持ちが強まっていきました。
残り続ける業界だとは思う
このような理由から退職したものの、半導体業界は今アツい業界の一つですし、これから先も伸びていくと思います。
半導体商社間の転職は比較的しやすそうなので、業界についてよく知っておくと、別の会社でも役立てることができそうです。
半導体商社への転職が気になる!という方は、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。
ただ、半導体商社の競争は激化しています。
吸収合併が盛んなので、一度も転職しなくとも、名刺の社名が何度も変わった・・・ということになるかもしれません。
なので、生き残りそうな会社を選ぶことと、自分がどこに行っても活躍できるスキルを持つことが大切だと思います。
営業職で身につくスキルについては、この記事にまとめてあるので参考になると嬉しいです。
おわりに
私は退職を選びましたが、もちろん生き生き働いている人や、激務の中でも上手くこなして余裕を持って働いている人もいます。
結局退職してしまうのは、
「自分がどのような働き方なら出来るのか」
「普段はどのような仕事をするのか」
に対して、事前の想定と実際の業務にギャップがあり、それが受け入れられないからだと思います。
会社説明会などでは、キラキラした光の部分しか教えてくれません。
だからこそ出来るだけ影の部分を見ようとして、その影を受け入れられるのか考えてみるのはいかがでしょうか。
この記事が少しでも、影の部分を知る参考になれば幸いです。
もし今の仕事にすごく悩みを抱えていて、辛い毎日を過ごしている人がいるなら、こちらも併せて読んでみてください。
私に力をくれたオススメの名著「嫌われる勇気」について紹介しています。
ではまた!